◎即席縄文太鼓                宮崎龍美

 ある日、子どもたちの前で縄文太鼓を演奏することになった。その時太鼓の説明に困ったので、「これは即席縄文太鼓だよ」と言って、土器に皮を被せ麻縄で口頸部を縛り太鼓にしたら受けが大変良かった。それから子どもたちの多いところでは使うようにした。
 縄文太鼓が出来たきっかけは昭和63年春、「村おこし」で和太鼓をやることになったが参加者が多くて太鼓が足りない、しかし「和太鼓は値段が高い」。では自分で太鼓を作れないものか? でも木で太鼓の胴体を作るのは大変だ。土器でなら自分でも胴体が作れるかもしれないと思い、小さな太鼓の胴体を作ったらそれなりに出来た。当時、青森県立郷土館に貸出をしていた森田村の土器を回収に行った時、たまたま土器の太鼓の話になり、職員の方から「有孔鍔付土器」に「縄文太鼓説があるよ」と聞いた(故・山内清男氏の説です)。
 今度は有孔鍔付土器を作り、太鼓としていろいろテストしてみたが、どうも皮の張り方がおかしい。有孔鍔付土器に皮を被せその皮に穴を開け、土器の孔に小さなクサビを打つのだがたいへん難しい。もっと簡単に出来ないものかと有孔鍔付土器の孔をふさぐように皮を被せ縄で縛ってみたら即席土器太鼓になった。
 難しいことはわからないが、縄文時代、土器に物を貯蔵するために蓋をすることがあるかもしれないと、大学教授かテレビの受け売りだが聞いたことがある。蓋だということになると土器の太鼓の革張りと同じことにつながるかなー、何て。
 この方法は、現在でも土産品などの飾り蓋にも使われている方法です。
(工房みや・縄文太鼓演奏者)


 

▲ シャケのフレーク瓶詰めの飾り蓋 右は縄文太鼓

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