縄文の祭祀場                    後藤公司

 青森市野沢にある4000年前に造られたいにしえの祭祀場、縄文のストーンサークル『小牧野遺跡』。環状列石は、周辺の集落から人が集まり祭祀を行っていた聖地である。
  現在でも日本国内各地で祭が行われているが、この小牧野遺跡の所在する青森市を代表する青森ねぶた祭は、国内でも有数の祭として人気が高い。
 祭祀といっても祭礼、儀礼や儀式などもあったとは考えられるが、この小牧野の環状列石のきれいな三重の輪と、山の斜面を切り取って平らにする造成まで行うその徹底ぶりには目を見張る。
 そこまでして作った理由はなんなのだろうか。
 更に2900個もの川原石を標高145mの大地の上まで運ぶという荒業をやってのけるその魂は、現代の青森市の祭へ少なからず受け継がれていてほしいと心から思う。
 縄文人がどのような祭祀を行っていたかははっきりわからないが、きっと大盛り上がりだったに違いない。
実際の縄文人の祭祀を見てみたいが、それは叶わない。どんな祭祀をやっていたのかを想像するだけで、ワクワクが止まらない。
 神事や儀式のような様々なものが加えられたオリジナルな祭が完成し、後世に伝えられるのだろうが、今も昔も、人は祭を力に変換しているような気がする。
 日頃、見学者へのガイドをしている中で、縄文人の生活力や団結力、技術の高さを痛感しながら、現代人の勝っているところを探してみるが、道具に頼り切っている現代人は縄文人には遠く及ばない。
 物が溢れている昨今。縄文人の『生きる力』を参考に、もっと自然や環境に向き合った生活を考えてみるべきではないか。
 

▲ 小牧野遺跡を前に筆者

(青森市・一般社団法人 小牧野遺跡保存活用協議会理事・事業部長)