縄文スタイル in 千葉                大日向明子

千葉県で田舎暮らしをしている。一世代さかのぼると、この地には験をかつぎながら大勢で地引網をひく漁法、松明をもって里山をねり歩く虫送りなどがあった。東京出身の私にとって、勘と経験、人のつながりと祈りでのりきっていく縄文人の姿が浮かんできて心が動かされる。けれど最近、そんな姿は一昔前だけでなく、形を変え、今も息づいているのではないかと思えてきている。私が勝手に「縄文スタイル」と名づけた暮らしぶりをしている人たちだ。

 彼らは自宅の一部や小さな店舗で個性的なカフェやクラフトの教室などを営んでいる。立地条件は必ずしもよくないが、自然環境を活かして海辺や里山で、ネットワークをつくってイベントを開催し、PRしている。人のつながりだけで顧客を見込めるようになり、なかなかうまくいっている。縄文人も「土器づくりはこの人に習うと上達する」とか、「料理はあの人ね」といった会話をしていたのではないかと思う。「今度の祭りはこんな趣向でいきましょう」と相談していたのではないかと想像を膨らませてしまう。

共感とつながりを大切にしながら自分のスタイルで事業や地域活動をしている方の記事を書いていた。そのうちいろいろなご縁ができて、今では一緒になってイベントをもりあげるようになった。自然豊かな地元になじんで「くらし縄文人」になりつつある。

(ウェブライター・千葉県東金市)

「人と自然と地域をつなぐアートの祭典」で見つけた美術家・宮下昌也さんの作品「生態系の環」。勝手に「縄文曼荼羅」と呼んで、部屋に飾り暮らしを楽しんでいる。